|
ルミネーション(反芻)による慢性化
|
人間は、嫌なことを何度も思い出します。例えば、職場や学校で嫌なことがあったときに、その場でストレスが生じるのは、自然なことです。しかし、家に帰って、お風呂に入っているときや、ベッドに入ったときに思い出して、イライラしたり、息苦しくなったりすることがあります。ストレス要因が目の前にあるわけではなく、体はリラックスしているはずなのに、思い出して体がストレス反応を起こします。
こうして何度も思い出す現象を「ルミネーション(rumination、反芻)」と言います。ルミネーションが繰り返されると、ストレスホルモンが出続ける状態が続いて、慢性ストレス状態となり、やがて疾患などに至ることがあります。
ルミネーションは、うつ病との関係が深いという研究もあり、ルミネーションを防ぐことが重要とされます。
なお、ルミネーションには、「リフレクション(reflection)」と「ブルーディング(brooding)」があります。
リフレクションは、「熟考」というような意味で、過去のことを思い出して、その状況を熟考して将来に生かそうとするものです。「なぜ、あんな失敗をしたのだろうか」と考えて、次に失敗しないために思い出すというもので、プラスに働くことがあります。
もう一方の、ブルーディングは「卵を温めて育てる」というような意味で、嫌なことを思い出して、嫌な感情をどんどん膨らませていってしまう現象です。ブルーディングは健康に悪影響を及ぼすと考えられています。