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<セリエ生誕100周年記念>  10代、20代の方へ ストレスケア・ドットコムからのメッセージ




   働くことはストレスを上げる? 下げる?






人は、なぜ働かなければならないのか?


 人は、なぜ働かなければならないのでしょうか。

 これは、人間にとって、古代からの重要なテーマであり、哲学者や偉人たちがさまざまな考え方を述べています。

 ここでは、ストレスの発見者である生理学者ハンス・セリエ博士の考え方を採り上げてみたいと思います。





生理学的に見た労働の意味とは?


 セリエは、『ストレス・ウィズアウト・ディストレス』という本の中で、「生理学的に見て、労働は絶対に必要なものだ」と述べています。

 生理学者の立場から見ると、人間の体は、生理学的には、働くように作られており、「働くことには、ある種の治療効果があり、ストレス装置の働きをなめらかにする役割がある」と言っています。

 わかりやすく言えば、何もしないでいるよりも、働いているほうがストレスが少なくなるように人間の体は作られているということなのです。





働いている人と働いていない人のストレス度はどちらが高い?


 セリエの意見については、私たちの調査でも、同じようなことが確認できています。

 図1は、定職のある方と定職のない方のストレスレベルの違いです。20代、30代、40代に絞っていますが、40代女性を除くと、いずれの世代でも、男女とも、定職を持っている人のほうが、そうでない人よりも、ストレスは低くなっています。



               <図1>



 *ただし、Healty Worker Effect(採用時の健康診断や、病気の人の退職などにより、働いている人の方が健康度が高く出やすいという世界的に知られた傾向)が関係している可能性もあります。




適度に働くのが一番よさそう


 図2を見て下さい。図2は、約1万9000人の労働時間とストレスの関係を示したグラフです。一目でおわかりのように、週に40時間〜50時間働いている層が一番ストレスが低く、長時間働けば働くほどストレス度は高くなっています。また、働く時間が少なくなっても、ストレスは高まっています。

 要するに、ストレスを軽減するには、適度な労働時間を持っていたほうがよいということです。働き過ぎもダメですが、働かないのもダメなのです。



               <図2>






働いてみることもストレス解消法の一つ


 最近は、自らの意志で働かない人やニートの問題がメディアでよく採り上げられています。中には、「仕事をするとストレスがあるから、働きたくない」と考えている人もいるようです。しかし、その考え方は必ずしも正しいとは言えません。

 社会で働くようになれば、必ず何らかのストレスは出てきます。中には、つらいストレスもあると思います。

 しかし、働かなければストレスがなくなるのかというと、そういうわけではありません。働かなくても、お金の問題や、将来の不安や、世の中の人たちの冷たい視線など、いくつも大きなストレスが出てくるはずです。

 仕事をしないことによって、一時的には仕事のストレスから逃れられますが、トータルとしてみれば、図1、図2の二つのデータからもわかるように、ストレスは高くなってしまうのです。つまり「適度に働くこと」が一番ストレスを低く抑えられる可能性が高いということです。

 何となく働く気になれない方は、視点を変えて、「ストレスを高めないために働いてみよう」と考えてみても悪くはないのではないでしょうか。





ストレスの発見者は働くことをおすすめ


 セリエの言葉に戻りますと、セリエは、「ヘトヘトになるまで働いたほうがいいですよ」と言っています。「空腹こそ最高のコック」という言葉を挙げて、「一生懸命に働いたほうが、むしろレジャーを満喫できて、人生が楽しくなりますよ」と述べています。

 働くことについて、どのように考えるかは、ご本人の価値観、選択次第です。しかし、ストレスケアという視点で考えるならば、適度な労働時間は、有効なストレス対処法になるということも知っておいていただければと思います。




(2007年1月)



禁無断転載



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