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                              ストレスケア・コム 代表コンサルタント 加藤貴之



ストレス・お悩みの解決が難しくなっている


 1996年のサイト開設以来、非常に多くのストレス・お悩みをお寄せいただいてきました。たいへんありがとうございます。それらを概観してみますと、ストレス・お悩みにはある一定の傾向が見られます。

 10年間の大きな流れとしましては、ストレス・お悩みを、職場や学校などの現場で解決することが徐々に難しくなっているのではないかという印象を受けます。「このくらいのストレス・お悩みであれば、周囲の人のちょっとしたサポートで解決できるのではないか」と思われるようなお悩みでも、その場では、解決されにくくなっているようです。


コミュニケーション不足の傾向が見受けられる


 年々増えているように感じられるのが、「コミュニケーション不足」が原因と思われるストレス・お悩みです。本人から発信するコミュニケーションも不足がちですが、まわりから受け取っているコミュニケーションもかなり不足していると思われるお悩みが増えています。

 その場のちょっとした会話で解決できそうなことでも、たった一言の会話がないために、ストレスとして抱え込んでしまっている人も見受けられます。周りの人が一声かけてあげれば解決しそうな問題でも、その一声がないために、深刻なお悩みとして抱え込んでいる人もいます。

 10年ほど前は、「他人から嫌なことを言われる」というようなストレス・お悩みが多かったのですが、最近は、「嫌われているのではないだろうか」「どう思われているのかわからず不安」というようなストレス・お悩みが増えています。

 以前は他人からネガティブなことをされるというストレス・お悩みが多かったのですが、ネガティブではあっても、コミュニケーションはあったようです。最近は、コミュニケーションそのものが減っていて、ネガティブなことをされているわけではなくても、相手からどう思われているかとても不安であるというようなお悩みが多く見受けられます。

 トータルとして言えば、コミュニケーションが減少してきて、不安感が増していることと、現場のコミュニティによる問題解決能力が下がっているような感じを受けます。



ネットの普及でコミュニティが大きく変わった


 サイトを運営しながら言うのもおかしな話ですが、コミュニケーションが減り、コミュニティの問題解決能力が弱くなった最大の要因は、インターネットの普及と言えるかもしれません。

 10年ほど前の1996年と言えば、その年の4月にヤフー・ジャパンがサービスを開始したばかりであり、インターネットはまだあまり普及していませんでした。同年10月に当サイトはオープンしましたが、アクセス数は1日10件、20件でごくわずかな方のご利用にとどまっていました。当時は、ネット・コミュニティよりも、リアルなコミュニティのほうが主だったと思います。

 ところが、この10年で状況は一変し、インターネットは急速に普及しました。今では、子供から高齢者まで誰もがネットを利用しています。仕事においても、面談や電話でなく、メールによるやりとりが非常に増えています。友達同士の会話も、親子の会話も、メールによるやりとりが増加しています。

 いまや、ネットとメールを使っていれば、1日中誰とも話をしなくても、何とか生活をしていけるような時代です。それによって、直接のコミュニケーション能力が弱まっているのではないかと考えられます。

 相手に一言言えばすむように思われることでも、メールでの会話に慣れすぎてしまったために、面と向かって言いにくくなってしまって、問題を抱え続けてしまっている人もいます。周りの人が一声かけてあげるだけで状況が変わりそうな問題でも、みなその一声がかけにくくなっているのだろうと思います。

 日頃のダイレクトのコミュニケーションが不足してきたことによって、お互いに直接気持ちを伝えにくくなり、ちょっとしたお悩みでも、なかなか解決しにくくなっているようです。


ストレス・お悩みが現場からネット上にシフトしている


 もちろん、ネット社会にはプラスの面もいくつもあります。旧来の友人とのコミュニティが、ネット上で復活したり、友達の輪が広がったりするするなど、ネットはネットで、コミュニティとして重要な役割を果たしています。

 しかしながら、ストレスやお悩みに関しては、ネットでできることには限界があります。

 リアルなコミュニティとの最大の違いは、ネットでは、心を癒すことはできたとしても、直接の「介入」や「調整」はできないということです。

 職場の人間関係で悩んでいる人がいたとき、ネット上でも、カウンセラーや一般の人など誰かが悩みを聞いてあげることはできますが、人間関係を直接調整することはできません。リアルなコミュニティであれば、上司が、仲の悪い人どうしの配置を変更するというようなことも可能です。そのようなちょっとした職場の配慮で、問題が改善されて、すっかり心が軽くなる場合もあります。

 ネットでは、いじめにも介入はできません。ネット上で、プロのカウンセラーや弁護士に相談することはできますが、実際にいじめを解決できるのは、そのカウンセラーや弁護士が現場に足を運んで、学校の先生やご家族など周囲の人と協力しながら、介入をしたときだけです。

 このように、心の癒しだけでは解決しない深刻なストレス・お悩みも、多数見受けられます。


 ストレス・お悩みの解決には、ネット・コミュニティでのサポートと、リアルなコミュニティでのサポートの両者が必要です。現場で解決されない相談がネット上にシフトしつつあるように感じられますが、しかし、リアルなコミュニティの力を復活させない限り、ストレス・お悩みの問題は実質的に減らないと思われます。

 10年間のストレス・お悩みを見ていて、職場や学校や社会でのコミュニティによる問題解決能力が、徐々に下がっているように感じられます。ストレスやお悩みを抱えている人をサポートするだけではなく、職場や学校などコミュニティそのものをサポートするような専門家も必要になっているようです。



年代によって、ストレス・お悩みの傾向が違う


 ストレス・お悩みの年代別の傾向は、10年前からあまり変わっていないようです。

 未成年の若い人は自分を責める傾向があり、成人を過ぎた大人は他人を責める傾向が見られます。

 たとえば、誰かとの人間関係が悪くなったときに、10代の人は、「自分が悪いのではないか」と考えたり、「自分は何もできない人間だ」と思ってしまったり、自分のことを責めてしまう傾向があります。10代の人のストレス・お悩みは、人間関係であっても、学校のことであっても、その多くが自分に原因があると考える傾向があります。

 20歳くらいを過ぎると、それが逆になります。誰かとの人間関係が悪くなったときには、「あいつが悪い」「こいつが悪い」「上司が悪い」「部下が悪い」「妻が悪い」「夫が悪い」と、他人を責める傾向が強くなります。「自分が悪い」という方向に向かう人は、あまりいません。受験や就職という壁を乗り越えることによって、少しずつ自分に自信を持てるようになってくるためではないかと思われます。ただ、20歳以上で自分を責めてしまう人のストレス・お悩みは、非常に深刻です。


「自責」と「他責」のバランスがとれている人のストレス・お悩みは少ない


 自分を責めるよりも、「他人が悪い」と考えたほうが、精神衛生上はいいのかもしれません。一方、10代の人のように「自分が悪い」と考えることは、成長のためには大切であり、人間としては、必要な要素の一つです。

 「自分が悪い」と考えるのか、「他人が悪い」と考えるのか、どちらが良いのかはわかりませんが、全体を見ていますと、両者のバランスがとれているストレス・お悩みはほとんど見かけません。どちらかに偏ってしまうことが一番深刻度が高くなり、バランスがとれていると、なんとか自分自身でストレス・お悩みを解決できているようです。

 このような傾向を見る限りでは、「自責」と「他責」のバランスをとることが重要なのではないかと考えられます。

 「自責」傾向の強い人は、「他責」の発想も取り入れ、「他責」傾向の強い人は、「自責」の発想を取り入れると、バランスが回復し、ストレス・お悩みの解決に近づくのではないかと思われます。



(2006年10月)






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