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事故・出来事から学ぶ 心の安全対策
著:(雑誌掲載記事)


<連載 第15回>
インドで起こった「史上最悪の産業事故」から何を学べるか?


停止中の工場が大事故を起こした

 「史上最悪の産業事故」と呼ばれるのが、1984年にインドのボパールで起こった化学工場事故です。

 この事故は累計2万人以上の死亡者と50万人を超える負傷者を出しました。直接的な死亡者数はチェルノブイリ原発事故を超えていると見られています。

 事故を起こした化学工場は殺虫剤を作る工場でした。

 まず、工場が建設された経緯から辿ってみます。

 大人口を抱えるインドでは、最大の問題は食糧でした。農村では、害虫が農作物を食べてしまうことが大きな問題となっていました。そこで、アメリカ資本がインドに進出して、農業用殺虫剤の工場を造ることになりました。

 会社の経営陣は「インドの食糧事情を変える」という意気込みで巨大工場を建設。大量の原材料(毒性の強い物質)が運び込まれ、工場が稼働し始めました。安全装置が万全に施された最新鋭の近代的工場でした。

 ところが、いざ製品を販売してみると、インドの農民の慣習に合わないのか、殺虫剤はあまり売れませんでした。工場の稼働率はどんどん低下し、経営の重荷となっていきました。

 経営陣はこの工場の廃止を決定し、工場は全面操業停止になりました。

 そこにトラブルが発生しました。

 停止中の工場でしたが、タンクの中には有毒の原材料がまだ残っていました。原材料から発生した有毒ガスは、あっという間に工場の外部に流出し、周辺住民はバタバタと倒れてその場で亡くなっていきました。



安全への意識は薄れていった

 どうしてこのような事態に陥ったのでしょうか。

 最大の要因は、「停止しているから安全だ」という思い込みです。

 廃止予定の工場ですから、会社は予算を付けなくなりました。保守人員は減らされ、安全に詳しい人がいなくなり、新人が配属される状況となりました。

 工場の周辺はゴミだらけ、草も生え放題。従業員たちは「やる仕事がない」とすら思っていました。

 アメリカ本社は、廃止する工場のことには関心がなくなり、工場がひどい状態になっていても、チェックや監査がおろそかになっていました。そんな中、安全装置や警報装置も次々と切られていきました。

 トラブルが発生した当初、保守作業員たちは「止まっているのにトラブルなんか起こるはずがない」と思っていて、ガスマスクも着用せずに、現場を見に行きました。
 現場を確認した作業員が「ガスが漏れている!」と報告しても、「そんなはずはない」と他の人は真に受けませんでした。計器盤は異常値を示していましたが「計器盤の故障ではないか」と受け流されました。

 初期対応がとられなかったうえに、安全装置も切られていたため、またたく間に重大事故になってしまいました。



止まっていても危険なものはある

 史上最悪の産業事故ですから、学ぶべき点はいくつもあります。

 最大のポイントは「止まっているから安全」という思い込みです。

 私たちは、原始時代に猛獣に追いかけられていたころから、「動いているもの」や「スピードの速いもの」に対しては、本能的に危険を感じてきました。
 動くものに対して脅威を感じて、心身が身構えてしまうのが「ストレス反応」の原点です。

 しかし、人間は「止まっているもの」には危険をあまり感じず、注意が向けられない傾向があります。

 人間の本能的な直感に反することですが、「止まっているもの」でも危険性の高いものはあります。その点は忘れられがちです。

 安全装置が何重にもなっていたことも裏目に出ました。

 「止まっている工場だから、1つ2つ安全装置を切っても大丈夫ではないか」という緩みが出てきました。

 通常は、誰かの気が緩んでも、他の人が厳しいチェックをすることによってカバーされます。しかし、「停止している」と思うと、チェックする人まで甘くなってしまいます。この化学工場に対しては、本社はほとんどチェックをしていませんでした。

 本社は工場の廃止を決定して以降、コスト削減の方針をとりました。それ自体は合理的な判断です。

 ただ、会社の方針は現場従業員の心理面でのコスト削減を誘発してしまいました。「労力(コスト)をかけたくない」という心理です。

 会社が力を入れていないことに対しては従業員も力を入れなくなります。「手間暇をかけたくない」と誰でも思うものです。

 安全は大事だとわかっていても、「手間暇をかけたくない、面倒くさい」という気持ちが強くなると事故は起こりやすくなります。

 安全対策においては、心理面にも目を向ける必要があることをこの事故は教えてくれています。


まとめ (Lessons Learned 教訓)

「止まっているから安全」という思い込みが落とし穴になることがある

止まっている設備は、危険性が過小評価され、安全対策もチェックもだんだん甘くなる

止まっている設備は、保守人員が削られ、安全に詳しくない人が配属されることも

二重、三重の安全装置は「一個くらい切っても大丈夫では?」と思いやすい

「手間暇をかけたくない、面倒くさい」という『心理的なコスト削減』をいかに防ぐかが重要

東京建設業協会発行 『Terra』 2017年2月号掲載
 <pdf版はこちら>
*pdf版は若干内容が異なることがあります。


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