
ストレスの鍵を握っているのは?
ストレスというのは、「社会からの要求」と、「自分の内部からの要求」の摩擦によって、起こると考えられています。
環境と自分をうまく「適応」させることができないと、ストレスは高まり、環境と自分をうまく「適応」させることができると、ストレスは減ってきます。
このストレスの考え方は、エゴグラムの基礎となっている精神分析の考え方と近いものです。
精神分析の理論の中には、社会的道徳規範などの「スーパーエゴ」と自分自身の本能的衝動である「エス(イド)」を、「自我(エゴ)」によって、コントロールすることによって調和をとっているという考え方があります。
エゴグラムで言えば、「親の心(CPとNP)」と、「子供の心(FCとAC)」を、「大人の心(A)」がコントロールするというものです。
エゴグラムで、「大人の心(A)」が低い人は、概してストレス度が高く、「A」が高い人は、ストレス度が低い傾向があります。5つの要素(CP、NP、A、FC、AC)とストレス度の相関をとってみますと、最も負の相関が強いのは、「A」の数値です(「A」が高いほど、ストレス度が低い)。
「A」によってストレスが左右されるのは、「A(大人の心)」が葛藤を冷静にコントロールする力を持っているためと考えられます。
ストレスを軽減するには、「環境」と「自分の欲求」の適応を図ることが必要です。しかし、往々にして、「自分を取り巻く環境」と「自分の欲求」は対立しがちです。そんなときには、冷静で理性的な心によって、コントロールすることがストレスを減らすことにつながるようです。