ストレスケア・コム トップへ
★パワハラ関連ご依頼は→
ストレス・コメントストレス・お悩み相談&応援ストレスチェックエゴグラム性格チェックワーク・ライフ・バランス・チェック心の多様性チェックストレスとは何か。
shutterstock
閲覧数: 4934  
職場のメンタルヘルス
著:
『プラントエンジニア』誌 2010年10月号


<連載 第7回>
「イベント・カウンセリング」で不調を予防する


不調は「変化」をきっかけにして起こりやすい
「不調のサイン」よりも「イベント(出来事)」のほうが見つけやすい
すべての人の能力を活用するために


不調は「変化」をきっかけにして起こりやすい

 今回は、ストレスを予防する「マネジメント・スタンダード」の6つのポイントのうち、「チェンジ(変化への対応)」について見ていきます。

 人間が不調に陥りやすいのは、「変化」が起こっているときです。

 自分を取り巻く状況が変化すると、新しい状況に適応するためのエネルギーを必要とします。大きな変化であればあるほど、心も頭も体もフル回転させなければならなくなり、多くのエネルギーが使われます。その結果、心身の消耗がいつも以上に大きくなり、不調につながりやすくなります。

 実際、職場や家庭で起こる不調は、何らかの「変化」をきっかけとしていることが少なくありません。例えば、

新しい部署に異動したとき
昇進して責任が重くなったとき
人員が減って仕事が大幅に増えたとき
家庭内で介護を必要とする人が出てきたとき

 などには、不調が起こりやすくなります。

 普段はかなり強いストレスに耐えられる人でも、大きな「変化」が起こっているときには、体調を崩したり、うつ状態に陥ったりと、深刻な不調を発症する可能性があります。



「不調のサイン」よりも「イベント(出来事)」のほうが見つけやすい

 部下の周辺に「変化」が起こっているときに、上司が行うべきことは、「イベント・カウンセリング」です。

 これは、1対1のミーティングの場を設けて、異動、昇進など、状況の変化を引き起こしたイベント(出来事)について、話し合っていくというものです。

「異動して1週間経ったけど、少しは慣れた?」

「昇進してから、仕事のほうはどう?」

「お母さんの介護をするようになったって聞いたけど、どう? 体調は大丈夫?」


 などと、状況を聞いて、話し合っていきます。

 「イベント・カウンセリング」は、言葉としては難しく聞こえるかもしれませんが、特別なスキルを必要とするわけではありませんし、特別なことをするわけでもありません。起こったイベントについて、話し合っていくだけです。

 それでも、部下のほうは、「大変な状況のときに、上司が話を聞いてくれた」ということで喜んでくれることがあります。「何でも話を聞いてもらえそうだ」と感じてくれて、体の調子や気持ちの面まで進んで話してくれることもあります。

 もし、不調の兆候が見られたら、その時点で専門家への受診をすすめるなどの対応をとれば、深刻な事態に至る前に対処することができます。

 メンタルヘルス対応においては、よく「管理職は、部下の『不調のサイン』を見逃してはいけない」と言われます。
 しかし、心の不調のサインは、目に見えないものも多いですから、現実問題としてサインを見つけることは容易なことではありません。

 ですが、「イベント」であれば、「サイン」よりは認知しやすいはずです。イベントの時点で介入すれば、不調の予防効果も期待できます。

 「イベント・カウンセリング」のポイントは、

イベント後、できるだけ早い段階で行うこと

不調のサインの有無にかかわらず行うこと


 です。仕事面に影響が出ている場合には、少し手助けをしてあげて、生産性向上のきっかけとすることもできます。



社内の変化については、情報をきちんと伝える

 合併や組織再編など、組織に大きな「変化」があったときにも、上司の対応が大きなカギを握っています。

 組織に変化が起こっているときには、社員はみな不安になります。ときには、不正確な噂が飛び交い、不安を増幅させてしまうこともあります。

 不安を和らげるためには、上司が正確な情報を迅速に部下に伝えることが必要です。「情報の提供」は、変化が起こっているときに、ストレスや不安を緩和する効果を持っています。

 例えば、電車に乗っていて、電車が急に停車したときのことを考えてみて下さい。

 数分間止まっていると、「どうしたんだろう?」「遅刻するかもしれない」など、不安な気持ちになってくるのではないでしょうか。さらに時間が経つと、「一体どうしたんだ? 何が起こっているんだ?」と、「情報」が欲しくなってくるものです。

 そこに車内放送が入り、「情報」を得られると、「そういうことだったのか!」と、少し不安は和らぎます。電車の遅れにイライラした気持ちが高まっていたとしても、情報があれば、代替手段など対処の仕方を考えることもできます。

 その反対に、何の情報もなく、車内で1時間も待たされたとしたら、おそらく、不安や怒りやストレスはピークに達してしまうでしょう。

 組織に大きな変化が起こっているときも同じです。

 「情報」がないと、不安が募り、「うちの部署は廃止されるんだろうか。そうなったら、他部署に異動できるんだろうか。それとも、退職勧奨されるんだろうか?」など、あれこれと考えて仕事が手に着かなくなる人も出てきます。

 たとえ悪い情報であったとしても、上司が正確な情報を迅速に伝えてあげれば、部下は自分自身にとって最善の行動を起こすための準備を始めることができます。

 組織に変化が起こっているときには、可能な限り正確な情報を提供していくことが、深刻な不調や生産性の低下を防ぐ有効な方法となります。

『プラントエンジニア』誌 2010年10月号掲載
 <スキャンpdf版はこちら>
*若干内容が異なることがあります。


[ 職場のメンタルヘルス ]

目次








 



 【中高生版】 悩んでいるとき… 

嫌なことを思い出さないようにすることはできる? 中高生版ストレス講座(1)
世界の多くの中高生が「死にたい」という思いに苦しんでいます。
親や先生に口で言えないときは、手紙を書いてみましょう。
世界で数百万回見られている動画。中高生時代のいじめ、自殺未遂が語られています。
自傷行為で悩んでいる人のための情報です。置き換え法も考えてみて。
小中高生のための24時間 電話相談先です。相談の仕方についの情報も。

 <コメント投稿コーナー>


ストレス関連テーマへのコメント・コーナーです。
PICKUP
みんなのストレス解消法

(約700件)


月や星を見ることかな。月光は身体や心を癒してくれる力があるんですよ …
10代 女性

  <最近のコメント・テーマ>



 <8つのチェックテスト>


ストレスがたまっていないかチェックしてみましょう。

ストレスチェック学生版です。

ストレスが「頭の働き」に影響していないかチェックしてみましょう。

自分の状態について知ることは、ストレスケアの第一歩です。


 <ストレス解消・リラクセーション>


自分なりのリラックス法を見つけておきましょう。


リラクセーション

ギュッと力を入れてから、フッと力を抜くことで、リラックスする方法もあります。


気分を変える方法にはいろいろなものがあります。


気分転換をする

写真から選ぶ









ライフスタイルを変える


休息をとる


サポートを受ける


本格的にケア&キュアする

みんなのストレスケア

私はこんなやり方をしています


みなさん、いろいろな工夫をされています。

仮想旅行をする人、畑仕事をする人、ダラダラする人、踊る人、闘う人・・・

みんなのストレスケア評価




1位 ライブへ行って熱狂する
2位 旅行をする
3位 親しい人と食事する




1位 伸びをしながら深呼吸する
2位 目の前の空気を殴ってみる
3位 コーヒー・紅茶・お茶を飲む



 <情報コーナー> (メンタルヘルス対応も)

PTSDは、「障害」か「けが」か? 新しい発想の言葉「OSI」も出てきています。
ストレスを乗り越えて「成長」する「PTG」とは? トラウマは成長につながるか?
ストレスの「バスタブ・モデル」って何? お風呂にストレスケアのヒントが…


部下の不調に気づいたときに、管理職はどう対応したらいい? エスコートという考え方。
家族・友人の不調に気づいたときに、どうしたらいい? エスコートという考え方がポイントです。
セルフケア教育のカギを握る「セルフ・スティグマ」とは?

   
AI、自動運転が間近になってきています。AI時代のストレスマネジメントについて考えます。
「ストレス」と「生産性」の関係は? 欧州24か国のデータから探ってみます。
心身不調時の欠勤コスト(アブセンティーイズム)と出勤コスト(プレゼンティーイズム)


 <職場のパワハラ(パワーハラスメント)防止> 

           
パワハラって何? 6類型とは? 置き換えテストとは? よくある誤解は? 簡単に解説します。
ハラスメント」という言葉は、もともと軍事用語でした。けっこう重大なニュアンスを含んでいます。
意外にも、戦争に行かない兵士の自殺が増加。なぜ?「リーダーシップ」との関係は…


 <震災ストレス関連情報>

避難生活をされている方は「リロケーション・ストレス」にもお気をつけ下さい。
良い支援をするには、支援者のストレス・マネジメントも大切です。
311震災時のストレス・お悩みを再掲載いたしました。


 <みなさんのチェック結果からわかったこと>



 おかげさまで、ストレスチェックは延べ360万人の方にご利用いただきました。このうち、PC版のチェックをしていただいた170万人分のデータを分析いたしました。
この日は、ストレスが高い!

季節との関係はある?

「曜日」「時間帯」との関係はある?

気候や天気との関係はある?

プロフィールによる違いはある?

大震災との関係はあった?

経済指標との関係はある?



 <ラーニング&レポート>







 <ストレス・お悩み 相談&応援コーナー>



  過去のご相談の中から、ピックアップ(週替わり)




トップページ  会社情報  掲載メディア  ご利用規約  プライバシー  ストレスチェック  ストレスお悩み相談 
<著作・制作 株式会社メンティグループ> Copyright © Contents: Mentee Group Inc. Photos: iStock, shutterstock etc.