女性のほうが、男性より、ストレスが高い
男女別に見ると、女性のほうが男性よりストレスが高い傾向がありました。社会人でも学生でも、女性のほうがストレスが高くなっていました。いずれも統計上有意な差でした。
若い人のほうが、ストレスが高い
年代別に見ると、若い人のほうがストレスが高く、年齢の高い人ほどストレスが低い傾向が見られました。
社会人の30代の男女だけは、統計上有意な差はありませんでした。30代は、男性も女性も、ほぼ同じようにストレスを感じているということでしょう。
それ以外は、すべてのグループ間で、統計上有意な差がありました。
男女差より、年代差のほうが、3倍くらいストレスに影響
各種要因を重回帰分析で分析してみると、「年代差」のほうが「男女差」よりも、3倍くらいウェイトが大きいことがわかりました。
平均ストレスは低くても、バラツキが大きい年代も
各年代ごとにストレス状態のバラツキを見ると、年代が上がるにつれてバラツキが大きくなることがわかりました。40代くらいでバラツキがピークとなり、それ以降は、バラツキは減っていました。
40代くらいの人は、ストレスが高い人と、ストレスが低い人の差が大きいため、一律の対応が一番難しい時期と考えられます。
男女・年代ごとに、かなりストレスの状況が違う
男女・年代ごとに、ストレス状態の分布の特徴にはかなりの違いが見られました。
男性も女性も、ストレスが高い人の割合は、ほとんど変わりませんでした。
しかし、中・低ストレス者の割合は、男女に大きな違いが見られました。女性の場合はストレスがやや高めの人が多いのに対して、男性の場合は、女性と比べると、ストレスが低い人がたくさんいるようです。
男女・年代別に分布を確認してみると、以下のようになっていました(ヒストグラムをライン化しています)。
<男性のストレスの分布>
<女性のストレスの分布>
男性、女性に共通する特徴として、年代が上がるにつれて、ストレスの分布が大きく変わっていました。
若いうちは、正規分布に近い状態を示していますが、年代が高くなるにつれて山が崩れていって、男性は40代くらいのとき、女性は50代くらいのときににはフラットになります。さらに年代が高くなると、ストレスの低い人が圧倒的に増えて、左肩が上がっていきます。
全体を通じて言えることは、年代が上がるにつれて、ストレスが「中」レベルの人が減り、ストレスが「低」レベルの人が増えています。ストレスが「高」レベルの人は、年代が上がってもそれほど減るわけではないようです。
正規分布を前提とした、従来型の分析には限界も
上記のように、年代によって、ストレスの分布にはかなりの違いがあります。正規分布を前提とした従来型の分析(「平均値」による分析など)には限界がありそうです。
特に、40代以降のストレス分析には、新たな分析手法の開発が必要と考えられます。