東北地方のストレスが高かった
全国を10ブロックに分けてみると、各地域のストレスは下記の通りでした。
(*男女年代別構成比による調整後)
この10年間では、東北地方が一番ストレスが高い傾向が見られました。全体的に見ると、東北、北海道、北信越など、寒い地域のストレスが高くなっていたようです。
一方、近畿圏、首都圏など、大都市エリアでは、ストレスが低い傾向が見られました。
東日本大震災の影響はどのくらいあったのか?
東北地方のストレスが高くなっていたのは、2011年の大震災の影響によるものかどうかを確認するため、10年間の地域別ストレスの推移を見てみました。その結果、下記のようになっていました。
東北地方は、2011年の大震災前からストレスが高い傾向が見られました。もともとストレスが高い傾向がある地域に、東日本大震災による影響が加わったと見られます。
なお、目立った特徴として、近年、首都圏のストレスが大きく低下しています。これは、経済環境の好転と関連している可能性があります。経済環境とストレスの関連については、
こちらのページをご覧下さい。
大都市圏のほうがストレスは低かった
都市と地方ではどちらがストレスが高いのでしょうか。
大都市圏(人口上位7都府県、東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、兵庫)と他の道府県で比較をしてみました。
その結果、大都市圏のほうがストレスが低くなっていました。
地方は人間関係の要因が多かった
大都市圏と非大都市圏の違いについて、要因を調べてみると、大都市圏よりも、非大都市圏のほうが「人間関係」のストレス要因が高い数値を示していました。特に、「他人に対して我慢をしている」という項目が著しく高くなっていました。
一般的に、大都市は人間関係がドライで、地方は人間関係が濃密とされています。地方は、人間関係の深さが温かさやサポートとなってポジティブに働く面もありますが、反対に、煩わしくてストレスとなる面も大きいのかもしれません。
上記の内容を整理すると、
■ 比較的寒い地域
■ 大都市圏より非大都市圏
の人は、「ストレス」が高い傾向が見られました。
*Data Weighting
ストレスは、性別・年代によって大きな差があります。詳しくは、
こちら。
集団の人口構成比によるバイアスを減らすため、当分析では、男女差、年代差が出ないように標準化したデータ(Zスコア、偏差値)を用いています。
各地域のチェック者の男女・年代構成比は以下のようでした。構成比に大きな違いは見られませんでした。
北海道 ・・・ 北海道
東北 ・・・ 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
関東 ・・・ 山梨、茨城、栃木、群馬
首都圏 ・・・ 東京、神奈川、埼玉、千葉
北信越 ・・・ 長野、新潟、富山、石川、福井
東海 ・・・ 愛知、岐阜、三重、静岡
近畿 ・・・ 大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山
中国 ・・・ 広島、岡山、鳥取、島根、山口
四国 ・・・ 徳島、香川、愛媛、高知
九州・沖縄 ・・・ 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
なお、都道府県別の特徴は、各地域のデータ数が少なくなるため、明確なことはわかりませんでした。