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イギリス空軍の代表的な研究で・・・
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ストレスとエラーの関係については、古くから研究されています。代表的なものに、第二次世界大戦中のイギリス空軍による研究があります。

グラフは、爆撃機の乗組員が、状況別に、どのくらいのエラー(飛行情報の測定ミス)をしたかを表したものです。
多くの場合、出撃前からストレスがかかり始め、敵国に侵入して交戦しているときに、ストレス度はピークになります。帰還するときにはホッとしてストレスは少なくなります。
図のように、敵国に近づき、ストレス度が高くなるにつれて、エラーが大きくなっていることがわかります。
これらの結果から、ストレスが高まると、エラーを起こしやすくなる可能性が示されました。
注目されたのは、帰還時のデータです。帰還時には、エラーの大きさは、いくぶん小さくなっています。
帰還時には、体の疲労感が高まっているはずですから、疲労がエラーに影響を与えているとすると、エラーが増えてもおかしくはありません。ところが、帰還時にはエラーは減少しています。
このことから、肉体的疲労感よりも、精神的疲労感や不安感、つまりストレスのほうがエラーに与える影響が大きいのではないかと考えられるようになりました。
ただし、物事の最終段階では、最後までやり遂げる前にホッとして気を抜きすぎてしまって、エラーが起こるケースもあります。