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組織を強くする 職場のストレスマネジメント
著:(雑誌掲載記事)


<連載 第2回>
ストレスによるミスの連鎖を防ぐ


ストレスは細かい動きを鈍らせる
ストレスで起こる「エラー・カスケード」
世界最高の機関でもミスは起こる
力を入れて、力を抜くリラクセーション


ストレスは細かい動きを鈍らせる

 人間は、強いストレスを感じているときには、ミスをしやすくなります。

 その理由の一つが、身体面の変化です。ストレスが体の筋肉を必要以上に緊張させてしまい、スムーズな動作を妨げることがあります。
 また、極度のストレス状態の場合は、末梢血管に流れる血液が少なくなるため、手先の微細運動能力(ファイン・モーター・スキル)が低下します。例えば、緊急事態に遭遇して、警察や消防に連絡するときに、電話のボタンをうまく押せない人がいますが、これもストレス反応の一つです。

 手先を使う作業をしている人は、ストレスが強いときには、普段通りに手先が動かなくなることがありますので、注意が必要です。

 しかし、こうした問題は、経験を積んで、熟練したスキルを身につけることによって、ある程度カバーできます。また、過度の緊張時には、深呼吸などのリラックス法を用いて、体の状態を整えれば、動作の失敗を抑えることは可能です。呼吸法以外のリラックス法もあります(コラム参照)。



ストレスで起こる「エラー・カスケード」

 ストレスが強いときには、判断力の低下など、認知的な変化も起こります。職場の安全管理でより注意しなければならないのは、身体的側面よりも、認知的側面です。

 最近、ある人事担当者から次のような話を聞きました。

 「このごろの若者は、叱られ慣れていないのか、叱られるのが恐くて、自分のしたミスを隠そうとする。ネジを一本止め忘れただけでも、重大な事故につながることがあるので、ともかく隠さないように指導している」

 ネジを止め忘れることは、誰にでも起こりうることですが、気づいた時点で、すぐに修正・報告をすれば、大きな事故は防げるはずです。
 しかし、報告した際の叱責によるストレスを避けたくて、報告せずに隠してしまう人がいるのです。こうした行動がミスの連鎖を生み、事態を悪化させる要因となります。

 ミスが連鎖して、問題が拡大していく現象は、「エラー・カスケード」と呼ばれています。カスケードとは、連続した滝のことで、小さな滝がつながって大きな流れになるように問題が拡大していく様子を表しています。

 ストレスから逃れたい一心で、冷静な判断ができなくなると、ミスが重なり、大きな問題へ拡大していくことがあります。



世界最高の機関でもミスは起こる

 若者の例を挙げましたが、同様の問題は、高度な技術を持った機関でも起こっています。

 世界で最も高度な技術を持つとされるNASA(アメリカ航空宇宙局)は、1990年にハッブル宇宙望遠鏡を打ち上げました。ところが、主鏡の不具合のためにピンぼけの映像しか撮れず、失敗に終わりました。

 ショックを受けたNASA関係者に追い打ちをかけたのが、事故調査報告書で、望遠鏡を作った外部業者は、事前に不具合の可能性に気づいていたのにNASAに報告をしなかったことが判明したことでした。

 その理由は、NASAの高圧的な発注態度にありました。NASA職員は、予算超過になりそうだったために強いストレスを感じており、取引停止をほのめかして外部業者を責め立てました。外部業者は、ストレスを加えられていたために、不満を持ち、「NASAの言うなりにつくっていればいい」と考え、技術的な懸念をNASAに伝える意欲を失っていたことが明らかになりました。

 ”こんな”理由で、15年の開発期間と17億ドルが無駄になってしまったのです。

 人間は、ストレスをかけてくる相手に対して、問題点を指摘しようという気持ちにはなりません。まして、自分のミスは報告しないものです。指摘や報告をしないことが重大な結果を招くと気づいていても、目の前のストレスを避けることを優先しがちです。先に挙げた若者の例も、NASAの外部業者の例も、人間の心理に大きな違いはありません。

 安全を保つためには、技術的な問題だけではなく、人間の心理や行動などのヒューマン・ファクターにも気を配る必要があります。

 失敗から学んだNASAは、外部業者の感情面にも配慮し関係改善を図りました。1993年には修理ミッションを成功させています。

 人間のやることですから、すべてのミスを防ぐことはできません。重要なことは、ミスが連鎖・拡大しないようにすることです。

 ストレスは、頭の中のリハーサルによってある程度減らせることがわかっています。社員に対して、「ミスをした場合の正しい対応法」を教育し、頭の中でリハーサルしてもらうこともミスの拡大防止につながります。


力を入れて、力を抜くリラクセーション

 「リラックス」と「緊張」は正反対の関係にあります。その性質を利用して、緊張状態を作り出すことで、リラックスを生み出す方法があります。

 ここでは手のひらの例を挙げてみます。

1. まず、握り拳をつくり、10秒ほどギュッと強く握り続けます。

2. 次に、手の力をゆるめます。すると、手のひらから自然に力が抜け、リラックスした状態になります。

 何回か繰り返すと、緊張状態との対比で、リラックス状態を感じられるようになっていきます。腕、足、肩などでも可能です。

 この方法を利用して、緊張場面で、体の余計な力を抜いているゴルフ選手もいます。

東京建設業協会発行 『Terra』 2012年11月号掲載
 <pdf版はこちら>
*pdf版は若干内容が異なることがあります。


[ 職場のストレスマネジメント ]

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