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職場のメンタルヘルス
著:
『プラントエンジニア』誌 2010年10月号掲載


<連載 第7回>
「イベント・カウンセリング」で不調を予防する


不調は「変化」をきっかけにして起こりやすい
「不調のサイン」よりも「イベント(出来事)」のほうが見つけやすい
すべての人の能力を活用するために


不調は「変化」をきっかけにして起こりやすい

 今回は、ストレスを予防する「マネジメント・スタンダード」の6つのポイントのうち、「チェンジ(変化への対応)」について見ていきます。

 人間が不調に陥りやすいのは、「変化」が起こっているときです。

 自分を取り巻く状況が変化すると、新しい状況に適応するためのエネルギーを必要とします。大きな変化であればあるほど、心も頭も体もフル回転させなければならなくなり、多くのエネルギーが使われます。その結果、心身の消耗がいつも以上に大きくなり、不調につながりやすくなります。

 実際、職場や家庭で起こる不調は、何らかの「変化」をきっかけとしていることが少なくありません。例えば、

新しい部署に異動したとき
昇進して責任が重くなったとき
人員が減って仕事が大幅に増えたとき
家庭内で介護を必要とする人が出てきたとき

 などには、不調が起こりやすくなります。

 普段はかなり強いストレスに耐えられる人でも、大きな「変化」が起こっているときには、体調を崩したり、うつ状態に陥ったりと、深刻な不調を発症する可能性があります。



「不調のサイン」よりも「イベント(出来事)」のほうが見つけやすい

 部下の周辺に「変化」が起こっているときに、上司が行うべきことは、「イベント・カウンセリング」です。

 これは、1対1のミーティングの場を設けて、異動、昇進など、状況の変化を引き起こしたイベント(出来事)について、話し合っていくというものです。

「異動して1週間経ったけど、少しは慣れた?」

「昇進してから、仕事のほうはどう?」

「お母さんの介護をするようになったって聞いたけど、どう? 体調は大丈夫?」


 などと、状況を聞いて、話し合っていきます。

 「イベント・カウンセリング」は、言葉としては難しく聞こえるかもしれませんが、特別なスキルを必要とするわけではありませんし、特別なことをするわけでもありません。起こったイベントについて、話し合っていくだけです。

 それでも、部下のほうは、「大変な状況のときに、上司が話を聞いてくれた」ということで喜んでくれることがあります。「何でも話を聞いてもらえそうだ」と感じてくれて、体の調子や気持ちの面まで進んで話してくれることもあります。

 もし、不調の兆候が見られたら、その時点で専門家への受診をすすめるなどの対応をとれば、深刻な事態に至る前に対処することができます。

 メンタルヘルス対応においては、よく「管理職は、部下の『不調のサイン』を見逃してはいけない」と言われます。
 しかし、心の不調のサインは、目に見えないものも多いですから、現実問題としてサインを見つけることは容易なことではありません。

 ですが、「イベント」であれば、「サイン」よりは認知しやすいはずです。イベントの時点で介入すれば、不調の予防効果も期待できます。

 「イベント・カウンセリング」のポイントは、

イベント後、できるだけ早い段階で行うこと

不調のサインの有無にかかわらず行うこと


 です。仕事面に影響が出ている場合には、少し手助けをしてあげて、生産性向上のきっかけとすることもできます。



社内の変化については、情報をきちんと伝える

 合併や組織再編など、組織に大きな「変化」があったときにも、上司の対応が大きなカギを握っています。

 組織に変化が起こっているときには、社員はみな不安になります。ときには、不正確な噂が飛び交い、不安を増幅させてしまうこともあります。

 不安を和らげるためには、上司が正確な情報を迅速に部下に伝えることが必要です。「情報の提供」は、変化が起こっているときに、ストレスや不安を緩和する効果を持っています。

 例えば、電車に乗っていて、電車が急に停車したときのことを考えてみて下さい。

 数分間止まっていると、「どうしたんだろう?」「遅刻するかもしれない」など、不安な気持ちになってくるのではないでしょうか。さらに時間が経つと、「一体どうしたんだ? 何が起こっているんだ?」と、「情報」が欲しくなってくるものです。

 そこに車内放送が入り、「情報」を得られると、「そういうことだったのか!」と、少し不安は和らぎます。電車の遅れにイライラした気持ちが高まっていたとしても、情報があれば、代替手段など対処の仕方を考えることもできます。

 その反対に、何の情報もなく、車内で1時間も待たされたとしたら、おそらく、不安や怒りやストレスはピークに達してしまうでしょう。

 組織に大きな変化が起こっているときも同じです。

 「情報」がないと、不安が募り、「うちの部署は廃止されるんだろうか。そうなったら、他部署に異動できるんだろうか。それとも、退職勧奨されるんだろうか?」など、あれこれと考えて仕事が手に着かなくなる人も出てきます。

 たとえ悪い情報であったとしても、上司が正確な情報を迅速に伝えてあげれば、部下は自分自身にとって最善の行動を起こすための準備を始めることができます。

 組織に変化が起こっているときには、可能な限り正確な情報を提供していくことが、深刻な不調や生産性の低下を防ぐ有効な方法となります。

『プラントエンジニア』誌 2010年10月号掲載
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*若干内容が異なることがあります。


[ 職場のメンタルヘルス ]

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