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メディア掲載記事より

ケーススタディーで学ぶ  社員の「心の病」にどう対処するか?

『近代中小企業』(2001年1月号)P90〜P95のうち、著者執筆部分より一部抜粋

著:


厚生労働省も本格的に対策に乗り出した
<パート1 ケーススタディ> いま、職場ではこんなメンタル・トラブルが起こっている
<パート2 実践編> 管理者は部下のメンタル・トラブルにどう対応すればよいのか
1.予防 どんなことでも気軽に話せる職場づくりを行う
2.早期発見 いつもと様子が違う・・・小さなサインを見逃さない
3.事後対応 誠意のない対応は 他の社員の不信感を招くことに


[用語解説] 職場のメンタルヘルスケア

 従来より、職場ストレスによる生産性の損失が指摘されていたが、それに加えて、労働災害としての過労死、過労うつの問題が持ち上がり、裁判で企業側が敗訴し、多額の損害賠償支払いを命じられることが続いた。特に、2000年の最高裁判決が大きな影響を及ぼし、経営側がリスク管理の一つとして、メンタルヘルスケアを認識する状況となった。
 厚生労働省は2000年に指針を発表しており、1.セルフケア、2.ラインによるケア、3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア、4.事業場外資源によるケア、がその柱となっている。
 さらに、2006年に改訂された指針「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が発表されている。


厚生労働省も本格的に対策に乗り出した

 ここ数年、働く人を取り巻く環境が非常に厳しくなり、ストレスを抱える労働者が増えている(執筆時:2000年11月時点)。厚生労働省の健康状況調査によれば、平成4年には、仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じているという労働者が57%であったのに対し、平成9年の調査では、それが約63%に達している。

 こうした状況を受けて、厚生労働省も、働く人のメンタルヘルス対策を企業に要望するために、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を発表した。

 いまや、従業員の心のケアは、重要な経営課題の一つとなってきたようだ。

<パート1 ケーススタディ> いま、職場ではこんなメンタル・トラブルが起こっている

<ケース1> 課長への昇進を機にうつ病になってしまった社員 Aさん(ケース詳細略)

<ケース2> 即戦力として過剰に期待をかけられた新入社員 Bさん(ケース詳細略)

<ケース3> リストラ後、社に残り、頑張りすぎた女性社員 Cさん(ケース詳細略)

<ケース4> すべての指示をメールで行う上司を持つ部下 Dさん(ケース詳細略)


<パート2 実践編> 管理者は部下のメンタル・トラブルにどう対応すればよいのか

 このように、職場でのメンタル・トラブルは増えているが、このメンタルケア対策のカギを握るのは、職場の管理者たちだ。

 日頃から部下と接している管理者の対応次第で、メンタル・トラブルを防ぐことも、メンタル・トラブルを悪化させることもある。メンタルケアのキーパーソンが管理者なのである。

 では、管理者は職場でのメンタル・トラブルを防ぐために何をすればよいのか。

 基本的には、

 1 予防

 2 早期発見

 3 事後対応

 の3つのことを行う必要がある。

1.予防 どんなことでも気軽に話せる職場づくりを行う

 このうち、一番重要なのは「予防」であるが、そのために最も有効な方法は、日常のコミュニケーションをよくすることと言えるだろう。

 前述のケース1の例で言えば、日常からAさんの考え方を上司がよく聞いていれば、Aさんが「昇進を望んでいない」ということを事前に知ることができたのではないかと考えられる。

 昇進を望まないというのは、一般的には理解しにくいことかもしれないが、現実にはそういう人は何人もいる。自分の価値観で判断せず、まずは相手の価値観を聞くというコミュニケーションをとっていれば、少しはAさんの気持ちを認めてあげることもできたはずだ。

 同じように、ケース2においても、新入社員Bさんを励ますだけではなく、Bさんの不安な気持ちを少しでも周りの人が聞いてあげていたら、もう少し違った展開になったと思われる。

 日頃から良好なコミュニケーションが行われている職場では、メンタル・トラブルは起こりにくい。まずは、どんなことでも気軽に話せるような雰囲気をつくることが、社員の心の健康を保つ基盤となる。

2.早期発見 いつもと様子が違う・・・小さなサインを見逃さない

 次に二番目の早期発見の方法だが、これは日常の様子と違和感を感じることがあったら、それがサインだと考えるとよいだろう。

 ケース3の例で言えば、残業時間数や、彼女への仕事の集中ぶりなどからみて、上司にはC子さんのオーバーワークに配慮する責任が生じていた。配慮しながら、注意深く見ていれば、C子さんが疲れているという様子は、ある程度気づけたはずだ。

 ケース4の場合も、D子さんとその教育係のEさんの人間関係がうまくいっていないということを、上司が早めに察知する必要があっただろう。著しい会話不足は、そのサインと言える。ちょっとしたサインを見逃さないようにしていくことが大切だ。

 メンタル・トラブルをあらわすサインは、「声」にあらわれることも多い。声にはその人の気持ちや感情がよく出るので、声を聞くというのも一つの方法だ。いつもの声とどこか調子が違うようなら、それは何かのサインだと思ったほうがよいだろう。内容はともかく、声のトーンに注意するのである。

 これらのサインに気づいたときには、管理者が一声をかけ、進んで話を聞いてあげるとよい。それができなければ、誰かに頼んで話を聞いてもらうということでもよいだろう。

 メンタル・トラブルを抱えている人も、話を聞いてもらえれば、ある程度すっきりするということもある。また、自分がいかに苦労をしているのかということを他の人にわかってもらえれば、それが支えになることも多い。

 状況が簡単に変えられないことは、社員はみなわかっているので、せめてじっくりと話を聞いてあげて、部下たちの苦労をわかろうとしてあげることがメンタルヘルス上は大切なことだ。

3.事後対応 誠意のない対応は 他の社員の不信感を招くことに

 予防や早期発見に心がけていても、それでもメンタル・トラブルや心の病が防げないこともある。そんなときには、専門家へ早めに相談することが必要だ。ケース1の例で、T部長が知り合いの医師に尋ねたというのは、適切な対応だった。

 「うつ病」というのは、落ち込んでいるのと変わらないように思えるが、それほど単純な病気ではない。励ましたりすれば、自殺企図などを招きかねない危険性もある。徐々に治ってきたように思えても、治りかけが最も危険な状態とされている病気だ。こうした心の病には、やはり専門家のアドバイスを受けながら対応していかなければならない。

 心の病には、うつ病だけではなく、統合失調症や人格障害などもある。

 実のところ、心の病というのは、精神科医などの専門家でも対応は容易ではない。改善が見えにくい病気もある。精神科医にかかっていても自殺する人もいる。

 そのあたりのことを十分にわきまえて、心の病に関しては「自分一人の力で何とかしてあげよう」とは考えないで、専門家の手にゆだねることが大切だ。心の病かどうか疑わしいときにも、早めに専門家に相談することが望ましいと言える。

 専門家の手を借りて、こうした事後対応をきちんと行えば、周りの従業員にも良い影響を与えるはずだ。会社が従業員のことを考えて適切に対応してくれるとわかれば、それは他の従業員の心のセーフティネットともなる。

 逆に、あまりにも対応が冷たかったりすると、他の従業員は「もし、自分に同じことが起こったら・・・」と不安な気持ちになってしまう可能性もある。

 事後対応の成否は、周りの人の心に与える影響が大きいということをよく認識して対処することが必要だ。

 いずれにしても、職場の管理者にとって一番大切なことは、部下たちが働きやすい環境をつくってあげるということだ。そのためにも、日常から良好なコミュニケーションをとることをこころがけ、何でも話しやすい雰囲気をつくっていくということが、従業員の心の健康を保つ最善の方法と言えるだろう。



[ 雑誌・書籍等掲載記事より ]

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